「Find your own value」——自分の価値を見つける場所として
一般社団法人MeRiseが掲げる「Find your own value」という言葉は、支援の理念をそのまま表している。障がいを持つ方一人ひとりの特性を前提に、できることから着実に積み上げていく支援スタイルで、2017年の設立から8年間で4事業所を展開するまでに成長してきた。「働くための専門学校」という自己規定は、単に作業の場を提供するだけでなく、就労に必要なスキルや習慣を身につける場を作ろうとする意志の表れだ。
所沢みらい図・富士見みらい図・自立みらい図・相談みらい図の4拠点体制は、2025年に現在の形になったばかり。それぞれが独自の機能を持ちながら、グループとして一人の利用者の状況変化に対応できるよう設計されている。
富士見みらい図の「高工賃を意識した実践的な取り組み」
東武東上線みずほ台駅から徒歩11分の富士見みらい図は、「高工賃を意識した実践的な取り組み」を明示している事業所だ。箱づくり・ダイレクトメールの封入など、複数の作業が用意されており、自分に合うものを選べる環境になっている。固定送迎ルートは富士見市内コースと志木駅・新座駅コースの2路線で、東武東上線沿線の広いエリアをカバーしている。
「作業の種類が多くて、自分に向いていることが見つかった」という声があり、利用者によってはここを起点に就労イメージを具体化していくケースもある。無理のないステップを大切にしながらも収入につなげる姿勢が、通所継続の動機づけになっている、という声が目立つ。
ボーダーライン層に向けた、制度の「外」まで届く設計
一般的な就労支援は障害者手帳の取得を前提とする場合が多いが、一般社団法人MeRiseは手帳なしのリハビリ目的通所や、ボーダーライン層への対応も明確に打ち出している。「引きこもりがちで困っている家族がいる」「病気の再発が怖くてリハビリの場が欲しい」といった声に対して、相談の入口を開いている。相談みらい図は事業所から12km圏内であれば訪問対応も行い、動き出すことが難しい段階でも繋がりを作れる。
正直、この層への対応を明示している事業所はそれほど多くないと感じた。LINEでの問い合わせも受け付けており、電話が苦手な方でも気軽に接点を持てる窓口が整っている。「まずは話だけ」という段階でもスタッフが対応してくれたという声があり、ハードルの低さが評判のようだ。
行動指針と、現場が語るリアルな一面
「今日の自分をつくる」「誰かに何かを届ける」「正しいと思えること」という3つの行動指針を法人として掲げ、利用者だけでなく職員も同じ方向を向いて働く文化を大事にしている。12月の忘年会での表彰状授与も、その延長にある取り組みだ。キックベース・BBQ・フリマ・花見と、月ごとのイベントが通所の楽しさを作り出している。
フリマ出店は収益の60%が参加者の工賃に入る仕組みで、販売という経験と収入が同時に得られる設計になっている。防災訓練やグループディスカッションも年間スケジュールに組み込まれており、集団のなかで自分の意見を発信する力を育てる機会も意識的に作られている。


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